精神疾患治療に特化したデイナイトケアの実情

近年の日本において、精神疾患治療の現場は、病棟ではなく別の場所へと形を変えています。精神科の治療は薬物治療だけでなく、規則正しい生活などの非薬物療法も治療の一環になります。そのため、薬物以外における患者さんへの指導や関わり方が、治療に大きな影響を与えます。

そんな非薬物療法の一つに、デイナイトケアが挙げられます。こちらは元々、市町村が実施していた障がい者総合支援法における訓練等給付・相談支援・地域生活支援事業の3つのサービスを、病院やクリニックのスケールに置き換えたものです。デイナイトケアに従事する看護師は、患者さんの生活指導・服薬管理・ピアサポート・社会復帰支援、そして患者さんのご家族の相談業務などにも携わります。業務内容としては、訪問看護や保健師の業務に近いでしょう。

病棟に従事する看護師は、患者さんが退院したらひと区切りがつくというケースが多いですが、デイナイトケアの仕事は、退院後のサポートも行うため、そうではありません。現場では様々なプログラムがあり、業務量も多く、ご家族への対応や、心理士、ケースワーカーなど様々な職種との連携も求められるため、なかなか大変です。

しかし、通院時から退院後も患者さんと長く向き合い、回復して立ち直っていく姿を見られるのはこの仕事ならではの魅力といえます。一人一人の患者さんとじっくり関われる看護をしたいと思っている方は、自分らしいケアができる居場所になるでしょう。